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物書き学生の話①

第二回目は「物書き学生」のO君と対談。いわゆる「純喫茶」での録音はすこし緊張しました。カフェとは違う、濃い時間が過ごせますね。話題は主に文学について。面白い作品って、なんだろう。

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O君:…例えば、モノを作るにしても…そういう…、自分が作るものに対する集中って、新人のほうが絶対持てると思うんですよ。

僕:ああっ!やっぱ、そうだと思うよ。

O君:…よく、一人の作家を追いかけて、いろんな作品を読んでいくと感じるんですけど、本当に新人賞獲った作品とか処女作って、すごいギラギラしたものを感じるんですよね。

僕:ギラギラしてる。

O君:で、それが失われていく…ところって絶対あると思うんですよ。その、一様にギラギラしている処女作たちの作者が、失っていっているものってあると思うんですよね。

僕:宮本輝のエッセー読んでたんだけど、作家っていうのは、やっぱり、自分を切り売りしている生き物だと。その人の中の雑木林みたいなものを、木こりのように切って、加工して、出してっていう作業を繰り返しているうちに、だんだん木がなくなっちゃって、最後の一本までなくしちゃったとき、作家としての人生は終わるって。

O君:「消費」ってことですか?

僕:そうそう。だけど、「成長し続ける作家」っていうのも居るらしくって。そういう人は、自分の中に、自分で種を植えることができる、って言ってた。確かに、そういう溌剌としたものって、どんどん失われていっちゃうものなのかも知れないけど、それを忘れないっていうか、「うわっ」って来たものの感覚を忘れないで、いろんなものを取り入れていけば、回避できるのかなって思った。

O君:じゃあ…その若さを失わないことを目標に…

僕:(笑)目標にしとくかぁ!なんか、オジサンっぽいなぁ。「若さを失いたくない」って(笑)

O君:いや、僕、いまスゴイおもいますよ。

ずっと、失いたくないもの。

僕:そう?

O君:僕も、まあ、就職できるにしろ、できないにしろ、あと一年たったら(大学を)卒業っていうのは、確実にしますから…。もう、あの、例えば会社に所属して働いていくことって、もうそんなに怖くないんですけど、…仕事はしていけるだろうなって思うんですけど、一番怖いのは、僕のそういうところが摩滅していくことなんですよ。

僕:ああ~。

O君:今までは、…例えば「学生」ってやっぱり、学業に対して100パーセントの力を注げないじゃないですか。

僕:まあ、実際そうだよね。

O君:遊んだり、バイトして金を稼ぐなり、…付属物に、やっぱり気をとられますよね。

僕:逆に、全てを学業に詰め込んだ人っていうのもアンバランスな気がする。

O君:そうですね。なんか…言い方が雑ですけど、青春を無駄にする感が否めないと思うんですよ。

僕:ああ(笑)

O君:やっぱり、仕事しちゃうと、それを100パーセント、そこに向かう時間を増やさないといけないと思うんですけど、その時間を増やすことで、自分がモノを作ったりとか、他人が作ったものに感動したりとか、そういう部分が劣化していくということだけが、怖いんですよ。

喫茶店ではずっとクラシックが流れていました。曲が進むに連れて、話も少しずつ、深いところへいきそうです。    …つづく。

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