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物書き学生の話②

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前回の続き。話は「消費する作家」についてから「知覚」について。子供の頃の思い出はいつから始まるのでしょうか。

僕:宮本の言うように、種を植え続けるしかないんじゃないかな。またそこでね、切ったものは戻らないけど、また、育てて、育てて…

O君:新しいものを。一部では楽観視してるんですけどね。僕、たぶん三歳ぐらいのときから知覚が変わってないんですよ。

僕:そうなの?(笑)

O君:あの、結構、昔のこと、本当に幼児の頃のことを覚えているタチで

僕:うん

O君:ああ、いま俺が感じている、こういう感じは三歳のときここで、こういうときに感じたものだなって結び付けられるんですよね。

僕:ああ~。……三歳はさすがにないわ、俺(笑)。覚えてないよ

O君:あ、これは閑話休題なんですけど、いつから意識あります?

僕:え?

O君:いろいろ断片的な記憶はあるけど、「目覚めたのは何歳だった」ってあるじゃないですか。

僕:ああ~

O君:僕は、あの、ほんっとに、これはキレーに分かれているんですけど、幼稚園の入園式の日なんですよ。

僕:とき、の記憶が、一番古い?

O君:そうですね。起きたら入園式で、なんか同じ年頃の子達がいて、すごい怖かったっていう…

僕:あー、最古の記憶ね。

O君:そうです。

僕:……ふふっ、あの、父親にケツ叩かれているときかな(笑)。死ぬほど痛かったっていう(爆笑)

O君:印象に残ったんですね(笑)

僕:5歳ぐらいのときかなぁ…。もっと前かな。当時の家って、本当にアパートの一室で。貧乏で。

O君:はい。

僕:硝子の、こういう、リビングテーブルってあるじゃない?そこで晩御飯食べてて。俺が立ち上がろうとしたら、ほら、硝子が固定されてないで乗っかってるタイプなのよ。

O君:ああ、はい。

僕:ガタン!とかいって…

O君:浮いちゃったんですか。

僕:浮いちゃってさ!全部、なんかドンジャラみたいにこう、ガチャコンッて動くじゃん!皿が。

O君:はい

僕:俺、ぜんぜん悪気ないのに、多分、こうやって掴まれて、(体が)クッって浮かんだから、そうとう小っちゃかったんだと思う

O君:ああ、はい

僕:ケツ、ぷりって出されて、バチコーン!ってやられたのが…かな。…それが一番古い。
……なんかイヤだね、それで目覚めたみたいな(笑)

O君:自我の…目覚めが…スパンキング…。

三島由紀夫について

僕:三島由紀夫は、あれだよ、小説(仮面の告白)に書いてあったけど、桶の淵が見えたんだよ

O君:あ~…

僕:産湯の桶の淵が…

O君:絶対嘘ですよね

僕:(爆笑)絶対嘘なのかなぁ?

O君:僕は絶対嘘だと思いますよ、あれは……

僕:「その淵が金色だった」という…。「後で、親族に確かめたら、桶の淵は金色ではなかった」と言われたっていうね

O君:んもう、絶対嘘です

僕:でも三島由紀夫は結構、嘘付くらしいね。なんか、テレビ観てて、年末かなんかの番組で、過去50年の芸能報道写真を振り返るやつで、三島由紀夫が運転の免許の講習受けてる写真ってのがあったのよ。

O君:はい

僕:で、もう、なんか不思議な画なんだけど、こう、車から、後ろから、こう、出てくるような写真で……。あんまり、運転上手くなかったそうなんだけど、自分の文章では、「まるで、武芸者が白馬に乗るかのような美しさだった」みたいなことを書いたらしいよ。

O君:ナルシスティックですね~

喫茶店のBGMは、気がつけばクラシックからジャズに変化。次回は本稿の目的である「学生が書く小説」についてお話します。     つづく。

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